昨年秋の臨時国会で自民党は、憲法改正に向けかなり積極的な姿勢を示していました。
しかし、当時自民党の憲法改正推進本部長だった下村氏が、改憲議論に応じない野党に対し「職場放棄だ」と発言し、野党が態度を硬化。以来与野党で憲法改正議論が全く前に進まないという事態になりました。
2019年の通常国会でも憲法改正の発議をするのは難しいでしょう。
僕自身は憲法改正に賛成です。自民党が提示している改憲4項目全てに賛成というわけではないですが、9条は改正すべきという立場です。
昨年からの一連の動きを見た結果、憲法改正が実現するためにはいくつかの条件があると感じました。
その条件とは次のようなものです。
・日本国憲法の成立過程を多くの国民が理解している
・自虐史観からの脱却
・反日的な政党、政治家がいなくなる
・経済(景気)が安定している
・社会保障など将来に対する不安が解消している
・メディアが偏向報道をしなくなる
これらの条件をクリアして初めて、憲法改正が現実味を帯びてくると思います。
つまり、憲法の条文だけをあれこれ議論してもだめなのです。
例えば、景気が悪く先行きの生活に多くの国民が不安を感じているような時には、憲法改正の議論など盛り上がらないでしょう。そんなことよりまずは景気対策を考えろ!という意見が圧倒的になるのは明らかです。となると、仮に国会を通過して国民投票をしたところで否決される可能性が高いです。憲法改正の条文案の出来不出来とはまったく無関係な要因が影響しているわけです。
憲法改正問題は、非常に重要ではありますが緊急度は低い問題です。
自己啓発本の中でも有名な、スティーブン・コヴィー氏の『7つの習慣』で、物事を緊急度と重要度のマトリクスで捉え、中でも一番優先すべきは「緊急ではないが重要なもの」であると説いています。
憲法改正問題はまさに、「緊急ではないが重要なもの」のひとつです。
多くの日本国民が、そのことに気づくことが、憲法改正への第一歩なのではないでしょうか。