日本史 読書ノート

応仁の乱勃発/日本史上に大断層を生じさせた天下の大乱

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この記事は、渡部昇一著『読む年表 日本の歴史』の読書ノートです。

今回は
第3章 戦国篇
応仁の乱勃発
(1467年/応仁元年)
です。

要点

  • 将軍家と管領家の家督相続問題が、東軍と西軍に分かれて全国的な大乱へ発展
  • 足利幕府の統制力が弱まり、各大名の勢力が拡大した
  • 日本の家系のほとんどは、応仁の乱以前にはさかのぼれない

解説

応仁の乱とは、1467年(応仁元年)から11年も続いた大乱です。

応仁の乱とは端的にいうと、家督争いが全国的に発展していった内乱で、ウィキペディアの要約には以下のように書かれています。

室町幕府管領家の畠山氏、斯波氏の家督争いから、細川勝元と山名宗全の勢力争いに発展し、室町幕府8代将軍足利義政の継嗣争いも加わって、ほぼ全国に争いが拡大した。

その発端となった出来事や敵味方の情勢の移り変わりは非常に複雑でわかりにくいのですが、日本の歴史の大転換点となった争いだと、渡辺氏は指摘しています。

その理由の一つとして、「皇室と一部の公家を除けば、日本の家系のほとんどは応仁の乱以降に始まる」と渡辺氏は述べています。

つまり、それまで勢力を誇っていたほとんどの家系は、応仁の乱によってそれ以前と完全に切り離されてしまったというのです。

また、渡辺氏の別書籍には、明治時代の東洋史学者である内藤湖南による以下の言葉を引用しています。

大体今日の日本を知る為に日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要は殆どありませぬ。応仁の乱以後の歴史を知っていたらそれで沢山です。それ以前の事は外国の歴史と同じ位にしか感ぜられませぬが、応仁の乱以後は我々の身体骨肉に直接触れた歴史であって・・・」

応仁の乱より前は、自分の国の出来事ではないように感じるとまで言っているんですね。その指摘への賛否は別として、それほどまでに大きな出来事だったということを的確に言い表しているといえるでしょう。

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