先の大戦前後、特に戦前の日本は、現代の我々にとって一番馴染みの薄い、「見捨てられた時代」だと言えるのではないでしょうか。
戦国時代や明治維新などは、大河ドラマやドキュメンタリー番組などで、何度も取り上げられる一方で、戦前をテーマにした作品は極端に少ないのが現状です。
あるいはまだ、「歴史」と言うには生々しすぎるせいなのかもしれません。また、内容的にもポジティブなものにはなりにくく、下手に取り上げると批判されるリスクも高いのだと思います。
そういった力学が働いた結果、「戦前」というのはなんとなく腫れ物に触るような、タブー視されるような扱いを受けている気がしてなりません。国民全体からシカトされ、見捨てられた時代です。
しかしそれでも、あえて言いたい。
今日の日本があるのは、先の大戦で多くの人々が奮闘したおかげであり、そのことを我々日本人はもっと知るべきです。
そしてこの、「見捨てられた時代」を再評価することこそ、これからの時代を生き抜いていくための足がかりになると、僕は心底思います。
いわば日本版ルネサンスです。
ルネサンスとは、14~16世紀のヨーロッパ社会の転換期に起った革新的な文化運動です。中世ヨーロッパは停滞の時代と言われていますが、その停滞の眠りから覚めるきっかけとなったのがルネサンスです。
古代ギリシャ・ローマの文化を再評価することで、西欧は大きく飛躍することになります。
同じように、日本も時期は近くて規模も小さいかもしれませんが、戦前・戦後の時代を再評価することで、今よりもっと飛躍することができると考えます。